新年明けて既に20日

あ。こりゃどうも。
新年明けて既に20日以上経ってますがご機嫌麗しう?

さて俺はと言うと、指の怪我が長引いてしばらく引きこもって居た訳ですが、その後は変に忙しい。

派遣法改正の動きを受けて、俺の属しているとこはサービス方面に重点を置き始めた。
中でも、某大手スーパーのレジ業務は今関わっている案件で一番大変な現場だ。
今まで製造とか倉庫とか、あまりコミュニケーションを必要としない人たちが一転、絶対必要な現場に回される訳で、そうした人たちのちょっとした教育などしたりしている他に、普通にレジ打ったりシフト組んだりエクセルに戸惑ったりしてる訳で。


何時の間にか、俺が会社のスタッフ内では販売接客のプロと言う位置にさせられている事自体、なにか質の悪い冗談だと思う。
が、あまり他からナメられる訳にも行かないし、適当に頑張ってます。
…やっぱり接客のノウハウを一度しっかり勉強すべきなのかなあ。
接客英語も少しくらい覚えないと格好悪いしなあ…。

怪我をした


 あーこりゃどうも。Wacremaです。
実は仕事中に指を怪我して、労災のかねあいもあって引きこもりライフを送ってます。
つか引きこもらざるを得ない状況です。


 ちと、フォークリフトの爪と荷物の間に挟んじゃって、奇跡的に骨折はしなかったけど、でも目を背けるような感じです。
「大丈夫か」と問われたらあまり大丈夫じゃないような感じですが。


 前に事故にあった時は、病院の帰りにちょろっとスロ打って小銭稼げていたけれど、指痛めてるとさすがにね。
手を下ろしていると血が集まって傷が疼くから、常に坊さんみたいにしていないとならんし。
そんなだから仕事も出来ず、スロ打って小銭も稼げずと、ちと難儀はしているものの、取りあえずそれ以外は元気ですよ。

瞬間接着傷薬


 仕事中に指を切っていた。
当初全く気が付かず、痛みが次第に強くなり、初めて指先から血が滴り落ちていた事を発見したほどだった。


 あれ?俺いつ何で切った?
刃物は当時持ってなかったし、稀に、紙で切る事はあるけれど、その時は紙扱ってなかったし。
その癖、結構切り口鋭利だし。
痛みとかよりも、その理由に、狐につままれたようなマヌケ面をしていた。


 まあしばらく放って置けば乾くだろう、と気にしないでいたが、ぽたぽたと落ちる雫はなかなか止まる様相がない。
正直、商品に落ちて汚したりしても問題があるのでクライアントさんに申し訳ないが絆創膏はないかと尋ねると、もっと便利なものをお持ちだと言う。

 「これ、人間用の接着剤。」
…はい?
なんでも、人体に悪影響を及ぼさないもので作ったやつらしい。
傷口を少し広げ塗布後、固く傷口を閉じるようにしばらく固定しておくだけ。らしい。
ほー、面白い。話の種にとお借りする。


 見た目は本当に普通の接着剤。違うのはシンナー系の匂いがしない事くらい。
傷口に塗布した瞬間から滲みるような痛みが走り、思わず変な顔になる。
すかさず押さえ、1、2分ほど待つと確かに傷口はくっついて血も止まっている。
あらこれは凄い。感嘆する事しきり。


 非常に便利で、使い勝手も良いのだが、擦り傷には使えないあたりに用途の狭さもあるのがね…
でも、一家にひとつ常備しておいても良いかもね。

閉鎖などしない


 あー、ども。Wacremaです。
更新されなくて閉鎖したらと言う声すら出る訳ですが。
どっこい、閉鎖などしませーん。


 とはいえ、更新頻度の低下は要するに、日記を書く事に対するモチベーションの低下、それは翻って日々のモチベーションの低下であることの裏返しなんだよね。
また忙しかったりすると面倒になってしまったり。


 考えてみれば、日記のネタなんて限定しなければいろいろあるんだけれども、そうした事に目を向けていない訳で。
事実、俺マイケル昇天のニュースも二日遅れで知って、スタッフ達から逆に驚かれたくらいだし。


 でも、それってやっぱりいけない訳で。
何というか、自分自身の退化みたいな感じで。


 この日記とは別に、俺が持っているフォトアルバム(http://f.hatena.ne.jp/Wacrema/)に載せてある写真があるんだけど、その中の一枚がほぼ毎週のようにお気に入りに登録してもらっている。
古い携帯で撮ったもので、今見ると解像度や色味などが弱いなと思いつつも、そうして気に入って頂けるってのは嬉しく思うと同時に、もっと綺麗な写真をあげたいな、とも思う。
俺はカメラを持って歩く習性がないので、新しく性能の良いカメラを積んだ携帯が欲しいな、など思ったりする。


 ただいくらカメラがあったとしても、写真を撮ってアップしなければレスポンスは無い訳だし、日記も然り。
どうしても、日記にしろ写真にしろ、「こんなのアップしてもな」と思って削除したりやめちゃったりするのが多くもあるんだけど、そんなものは俺が評価すべきでなく、見る人、読む人に任せないとね。


 なんだかんだ言って累計10万人の方(俺も含む)に見て頂いてる訳ですから。
もうちっとモチベーション上げてみるよ。うん。

寿司宅配

Wacrema2009-04-27



 このひと月程限定で、関内、山手地域を中心に寿司配達の仕事をしていた。
最初この話を受けた時の印象は「そんなことまで派遣であるのか」と言う軽い驚きであったが、学生の時に少しやっていた事や、基本はバイクで走るだけと言う楽しさもあり、承諾する。


 横浜山手と言うと、如何にもセレブの街と言う印象が強いし、本牧、元町あたりもこ洒落た街という感じを抱く。
しかし、走れば走る程、そうしたイメージとのギャップが大きい街だと思い知らされる。
まあ本来、根岸、磯子あたりまで伸ばす予定だったみなとみらい線を、「うるさくなる」と言う理由で圧力をかけ中華街で止めてしまうような人達(そう言えば経団連の会長の家もあったはず)が住む所だし、セレブと言うイメージは間違ってはいない。
けれど、山手と言う街はほんと山なんですわ。
しかもタチが悪い事に一方通行や人しか行けない道が多い。
地図上では行けるように見えても、断崖絶壁を階段で上下するところも多い。ましてや、どうやって家を建てたのか分からないような所にまでひっそりと集落があったりする。
そう。俺は今、集落と言う単語を用いたが、イメージとしては山あいの小さな集落そのままだ。
そう言う所が、大きな通りから原付で僅か20分程度走るだけで眼前に現れるのだ。
しかも、見上げれば高級マンションが山頂にそびえていたりする。


 また、別の地域は未だ尚、昭和の香りを色濃く残している。
木造平屋の家が建ち並び、電柱も木製。錆が浮いたトタン屋根や看板。場所によっては路面の舗装すらない。
ここは本当に横浜で、今は平成なんだろうかと、あたかもタイムスリップをしたかのような感覚を覚える。
まあもっとも、レトロフェチである俺からすれば心躍るような場所なんですがね。


 配達というと大抵は個人宅へのお届けになるのだが、希に興味深いところからも依頼が来たりする。
一度、某地区にある基地までのお届けというものがあった。
配達伝票を見て変わったお名前だな、と言う思いを抱きつ、春の陽気に誘われてにぎわう横浜の有名なデートスポットを幾つか走り抜けると、突然の通行規制。
その日は、Y150開港博のプレイベントで大きな蜘蛛のロボットがパレードをすることになっており、その所為で周辺は道路が封鎖されていた。
とはいえ、一部の車両は警官に話を通す事で通行出来るようなので、俺もお届け物があると話し、通して貰う事に成功。
目標地点に到達し、大きなフェンスを通って受付。
「某さんにお届けものなんですが、どちらに行けばよろしいでしょう」と言うと警備員に人は「あーこれ人名じゃないよ。船だ。」
人名じゃなくて船名。変わってるはずだよ。
教えて貰った通りに寿司を持ちながらとことこと護岸を歩く。やがて奥の方に「某」と書かれた護衛艦みたいなのが。これか。
…やー、これピンポンないんですが。
2秒ほど思案し、連絡先に電話を入れると「あーこっちですー!」と船から声が。
まさかこんな船の上で寿司をお渡しするとは思わなかったぜ。
船からの戻りしな、対岸に目を向けると件の蜘蛛ロボットがコンテナに足をかけて休んでいる。
これはここからしか見えない光景だ。仕事中とはいえ、写真を一枚とる。
基地を出てバイクを止めてあるところまで歩いていると、ウチの会社のスタッフ達と出会う。
実は、俺も前日蜘蛛のイベントのスタッフとして従事していたのだ(前回の日記参照)。
「いよっす」「何やってんすか、なんでこっちじゃないんすか」などと挨拶をし、参考のために当日の予定などを訊いて帰投。


 もちろん、楽しい事ばかりではなく、ヤクザに怒られてみたりとか(でも、それはそれで勉強になったから有り難いとも思っている)、急勾配の細道をおっかなびっくり行ってたら急に前が階段になったので転回しようとしたが出来ず、バイクと配達物の重さでバイクをバックさせる事も難しく、「俺終了のおしらせ」というフレーズが頭をよぎったり(なんとか背で押し上げて事なきは得た)、と面倒な事もいろいろあるんだけどね。
でも、清々しい晴れ間の下、海沿いを走ったりするのは本当に気持ち良いし、古い建築物や曰くありげな碑などを見つけるとうずうずしてしまう。
単なる仕事、というだけではなく、その中に楽しみを見いだすとなんでも興味深くなるものだが、この配達などは特にそれが強いなと思った。

巨大な蜘蛛を護衛せよ

Wacrema2009-04-17



 横浜では、今年開港150周年を記念して博覧会が行われる。
そのプレイベントとして、フランスから大きなロボットを操るアーティスト集団が来日し、3日連続でショーを行うのだが、その1日目に仕事として行ってきた。
30人程度の人を引き連れクライアントとの集合場所に赴き、挨拶をした後に待機場所である倉庫へ。
入り口ではフランス人達が煙草をくゆらせている。こちらに気がつくと「コニチワー!」と挨拶をしてきた。
素で「おはようございます」と挨拶してしまったが、気を利かせて「Bonjour」とでも言えば良かった。他にフラ語知らんけどな。
着替えを終えると、クライアントから3人リーダーを立て、俺の他に2人見知ったしっかりした奴をリーダーに立てる。更に後、リーダー不在チームと俺たちチームに分けられ、俺達は「蜘蛛護衛」という仕事となった。


 詳しい説明は後ほどするからそれまで待機、と言われたのだが。
それから3時間近くずっと待機で。まあ煙草吸えるし良っか。
スタッフの中には前日のリハーサルに参加した者もいて、どんな事をするか話を聞いてみたものの。
「前日のリハと同じ事が全く無い」という返事。リハの意味ゼロ。うっは。
日が落ちてくるに連れ、風が強く、冷たくなりだし、更には雨も降り出してきた。うーむ、色々と不安だ。


 待機中、フランス人とも少し話したが、本当は護衛とか付けないで出来るだけお客さんに近くにで見て貰いたい。驚き、楽しみ、感動を近くで味わって欲しいというような事を仰っていた。
なので、決してお客さんを排除するような感じにはしてほしくない、と。
階層で言えば頂点近くにいるクライアントの要望だし、とはいえ俺たちもすべき事はあるので、なるべくご要望に添うようにします、とだけ答える。
しかし、直後に件のリハに参加したスタッフは「昨日もそんな事仰ってたんだけど、(俺たちの直上のクライアントの)チーフはもうひたすら怒鳴って『さがって!』って連呼してたよ。フランス人の意見まるで無視」と言っていた。
ま、安全面の問題もあるけれど、なんだかな。フランスの人たちの気持ちもすごい分かるからな。


 いやしっかし、フランス人格好良いな。普通のおっさんですら格好良い。
足長いし、普通の作業着だろうけどなんかお洒落だし。移動用の自転車も持って来ていたみたいだけど、それも普通のママチャリとかじゃなくて、お洒落自転車だし。
しかもやたらフリーダム。倉庫内禁煙、と言われてるのに平気であちこちでスパスパ。
まあクライアントのヒエラルキーでトップクラスな訳だから、当然と言えば当然なんだが。
ちなみに俺たちはヒエラルキーで言うと6次とか7次とか、下手したらもっと下です、はい。


 暇疲れし始めた頃、ようやく「蜘蛛護衛チーム」にお呼びがかかる。
さて、相応に気合い入れて行きますか、と思ったのも束の間、「蜘蛛護衛は無くなりました」とさ。
…これ、本当に綿密な打ち合わせとかしてんのか?
面白そうな場所だ、と思っていたが残念。代わりに遊軍として、忙しいとこのサポートに周る。
他の所でも手空きになった者が多いらしく、遊軍の人数は当初より増えている。
しかし、仕事がない訳ではない。予め設置してある柵を唐突に移動する事になったり、それをまた戻したり。
時間も押し迫って来ているのに、こんなんで大丈夫だろうか。


 しばらくすると、俺たち数名は赤煉瓦倉庫の縁でお客さんの案内誘導を任される事になった。
なんでも、赤煉瓦倉庫の一番北寄りの歩道を蜘蛛が歩くので、倉庫から人が降りないようにして欲しい、と。
更に、俺は入り口の所なので人がそこに止まらないようにするらしい。
ポジションに付き、誘導をしていると海側で音楽や歓声が上がった。どうやら始まったらしい。お客さんもそれに乗じ増えてきた。
突然、スーツを着たちょっと偉いポジションに居そうな方が「後ろで炎や煙が上がるので、気をつけてください」と注意しに来られた。
了解です、と答えたものの、おいー、初めからそれ言ってくれよと思わなくもない。
基本、こういう時はお客さんの方向を向いていなければならない。なので後ろで何が起こるかは分からないのだ。
するとまた突然、後ろから「スタッフの人!来て!」と大きな声が。
後ろを見ると、ヘルメットを被ったスーツ姿の人が手を挙げている。
俺が行って良いのかな…と思いつつも、ぴゃっと走って話を聞くと、火を上げる装置の周りの柵を急遽拡げたいらしい。
ちょうどチーフが来たので呼び、その旨を伝えると半ば切れ気味に「間に合わないかも知れませんが良いっすか!」と答えている。
うん、気持ちは分からなくもない。なんで今更、と。が、そこまでテンパってどうする。ま、取りあえず俺たちは迅速に行動を起こすだけだ。
近場のスタッフを呼び、何とか柵を拡げるのに成功。ポジションに戻ろうとすると、既に蜘蛛が姿を見せていた。
いやーでけえええええええ。高さは赤煉瓦の屋根まであるかな。長い手足をゆっくりと動かして歩く様はとてもリアル。時折、尻から糸に見立てた水を噴射している。
俺のポジションでは既に黒山の人だかり。本来の業務に戻り、人の移動を促したりしていると先程のチーフが「降りろ!」と命令。
あんた登れつったじゃん…。まあ縁のギリギリまでお客さんを来させれば、より多くの人が見やすくなるし。
後ろでは、件の火炎放射器が火を吹き始めた。遠く離れていても暖かさを感じる。この寒風の中では結構ありがたい。


 程なくして蜘蛛が近づいてきた。大きな音楽が鳴り響く。手足は赤煉瓦の縁ぎりぎりまで伸びている。
てか俺たち、このままじゃ轢かれるね。そう思っていた矢先にまたチーフから「登れ!」という指示が。
まあそうですよね。
蜘蛛の手足のブレは結構あって、縁ぎりぎりでは危ない。重さも相当あるだろうから、ぶつかったら頭多分カチ割れるだろう。
興奮するお客さんを下がらせていると、急に煙幕がたかれた。
…なんも見えん。とりあえず手を広げて、近づこうとするお客さんを下がらせるのに注力。
当初入り口付近で人を止まらせない、なんて言ってたけどこれキツイ。しかもこの煙が赤煉瓦の中にどんどん入っていって、中も朦々としている。
煙の次は火だ。
数カ所に設置してある火炎放射器から音楽に合わせて火が上がる。お客さんの歓声も大きくなる。
確認のためにちょろちょろと見るたび、俺も心の中で「すっげー」とシンプルな感動を覚える。
蜘蛛は陸側、道路の手前まで来るとそこでUターンをし、また海側へと戻っていった。
去っていく蜘蛛を眺めるお客さん達に少しずつ移動を促していると、唐突に爆竹の破裂音が響き渡った。ちょっとびっくりだ。
数分間に渡って破裂する爆竹。風に乗って火薬の刺激臭と、煙、燃えかすが飛来してくる。
それを避けるように、お客さんも次々と離れていく。
呼応するように、俺たちもポジション変更となる。


 次のポジションは先程爆竹が破裂していたところだ。
不発弾が結構残っているようなので、処理が終わるまでは人垣を作ってお客さんを立ち入らせないようにする。
イベントとしては終幕で、蜘蛛に何やら泡みたいなものを掛けているのが見える。風が強く方々に散っているけれど、それはそれで吹雪のようだ。
音楽が鳴りやむと場内から拍手と歓声が巻き起こっていた。
どうやら、このイベントはストーリー性があるらしい。
俺は開幕を見ていないから分からんが、想像すると。
蜘蛛起きる>火で炙られる>煙で追い払われる>爆竹で脅かされる>蜘蛛丸くなってしょんぼり>泡で閉じこめる。
こうですか、わかりません。


 イベントが終わると機材の撤収。
翌日も同じイベントやるんだから柵とか残しておけば良いのにと思うが、余計な口出しして叱られるのも嫌だし。
頭数は多いので撤収も素早く終わり、業務終了。
着替えて倉庫から外に出ると、ちょうどフランス人技師達が先導して、一仕事終えた蜘蛛が休む準備をしていた。
この光景は俺たちの特権だな。
まあ大きな声で言うべきことじゃないし、機密保持などもあるから深くは言えんが、段取り悪いな。
事前の連携、連絡、そして当日の指示。諸々において素人目にも及第点とは言えんだろう。
ただ、お客さん達が喜び。そして「俺たちしか見られない光景」。
その二つを得られるのは醍醐味でもある。それこそが俺たちの美味しい餌なのだ。


言い過ぎました。一番の餌は銭です。高ければ高いほど美味な餌です。

大統領に就任

 いやあついに就任ですわ。大統領。
つっても、とある商業施設のキャラクターなんだけどね。
要は、そのキャラクターの着ぐるみの中に入った、って事ですわ。


 前々から着ぐるみって一回やってみたい、と思ってたけど、丁度タイミングが合わなかったり、身長制限があったりで出来なかった。
ところが、先日「着ぐるみやってみる?」という仕事の依頼。もちろん即答でYES。
実は、先代の大統領と知り合いなので、就任の際に気をつけるべきポイントなどを訊いておく事にする。
すると、「取りあえず暑いから水着持って行った方が良い」とのお答え。
…そんなに暑いのか?


 さて当日。
天候は霙(みぞれ)交じりの悪天候。レザーのジャンパー着ていても寒いったらありゃしない。
一応水着は持って行ったけれどこの天候なら必要ないかな。
などと考えながら現場に到着、指示を受ける。
なんでも、着ぐるみで一番してはならないのは「棒立ち」で、常に何かしら動きを見せておくほうが良いらしい。
落ち着きのない俺にはぴったりだね。
そして次に、着ぐるみを見せて貰うが。…なるほど、これは暑い訳だ。
まず、ウレタン製のボディを着る。これが肩で支える感じのもので、腕がしっかりホールドされてしまう。
股は俺の膝上くらいのところにあり、事実上可動する範囲は、腕は肘から先、足は小股での歩きになる。
更にその上に毛布みたいな生地の服と、モーニングのベストを着る。
頭は3キロくらいの重さのをそのままスポっと被るのだが、支えが頭だけなので首がこる。
頭の中は比較的スペースがあるものの、視界は口元と、わずかに目がすこし見える程度。
したがって、殆ど外は見えないのだ。
えー、これどうすんだ。


 いざ本番になると、アテンドの女性が手を引いてくれる。
俺はそれに従い、恰も見えているように手を振ったりしながら現場へと向かう。
そして、アテンドの方の「はーい握手ー」という声や「はいポーズ」「バイバーイ」などと言う声に合わせてアクションを取る。
まあ希に目から子供や、興味を示している人が見えた時は自発的にアクションしたりするんだけどね。
それ以外の、所謂待機状態の時は常に手をフラフラさせてみたり、変な踊りを踊ってみたりする。
実は、今回の就任にあたり、参考にした動画がある。それが下だ。

知ってる人は知っている、中日のマスコット「ドアラ」。
見たことのない方は是非このキモい、そして自由な動きをご覧頂きたい。
まあクライアントからは「落ち着きない方が良い」とまで言われてるので、暇が出来たら取りあえず変な動き。
そして、写真のポーズの時はその場その場で変なポーズを撮ってみた。
結果、お客さんやスタッフもそのたび毎に笑って頂けて良かった。本家には敵わんのだがね。
しまいには、何故かサインを求められてみたり、若い女性達から「きもーい」とまで言われるように。良し。



 しっかし、本当にこれは暑い。
真冬並みの気温でさえ汗を結構かいたのだから、もっと気温が上がれば本当に水着が必要になるだろうな。
またその所為で、30分程度稼働したら1時間以上休憩があるのだが、それが意外と面倒で。
最初こそ「休憩多くて美味しいじゃん」などと思っていたが、結構暇をもてあます。
色んな制約がある事とは言え、もう少し稼働しても大丈夫なんだけどな。


 まあ、大統領はなかなか出る機会もなく、今は3ヶ月程度に一遍くらいしか大衆の面前に現れんらしいが、次あったらまた入ってみたいなとは思う。
てか指名来ねえかな。


追記:ドアラの動画は大体どれを見ても変なので、是非色々と見てみる事をお勧めする。
ニコニコ動画の会員なら楽なんだがな。