或る元日の過ごし方の報告

 晦日から引き続き、元旦の、酒と食い物の日々の合間に、車を飛ばし日帰り温泉へと赴いた。
途中、海に寄り道するものの、晴れた空に穏やかな波は真冬の日本海のそれとは程遠い。波涛、と言う言葉こそがふさわしい筈なのに、風は無くうねりは小さく立つ白波は穏やか。釣り人にはもってこな天気だろうが(現に、弟は釣竿を持って来なかった事を甚だ悔んでいた)、 やはりこんなのは合わない。
冬の日本海は、雪を含んだ風が叩き付ける様に強く吹き、空は昼尚薄暗い鉛色、と言うものこそふさわしい。勿論、住んでいる人達からすれば余計なお世話、暖かく麗らかな日々であるに越した事は無いのだろうが。


海岸で、ちょっと前に話題になったエチゼンクラゲの、厚さ2、3センチもある破片を見つけ、やっぱすげー、だの、どうせなら丸ごと一体見たいなどと言いつ、海を後にし温泉へ。
3年前にも来た所だが、あの時は折からの吹雪で、湯から出ている髪の先は凍り付きそうになり、湯船から出ようとすれば容赦無く雪が体を叩き、その痛さに湯船に戻らざるを得ない、と言った状況だったが、今が同じ頃だとは思えない。


ま、いつまでも同じ事考えてもしょうもないないし、とのどかな陽気の中、風呂にGO。
体を流し湯船につかり、あ゛ー、と思わず声に出る。風呂は良い…
ひとしきり堪能し、サウナに入った所、続いて子供集団Come in。
うーるーさーいーなー。
眉間に皺が寄るのは熱さだけではないだろう。
ま、やかましいだけなら我慢もしようか。しかし、度々出入りされては温度が下がり、とてもじゃないけどサウナには程遠くなったので出る事にする。正直、危なかった。もう少しで堪忍袋の緒が切れて、飯綱落としする所だった。


風呂に入り直して気分を入れ替え、日も暮れて来たので戻る。
戻ってからはお節と酒の暴飲暴食大会、開始。
ま、とどのつまりは風呂入って酒飲んで飯食って、と言うサイクルを繰り返してる報告ですわ。


今日の自慢 〆張鶴大吟醸を頂いた。
この二日でもう既に、一升瓶の七割を消費してしまった事に一抹の不安と或る種の勿体無さを感じつ。