参院選を終わって

 今日は参議院選挙。
まだ開票の途中だけれども、恐らく自民、民主がほぼ同数ってとこだろう。
この選挙に限らず、ここ暫くの流れとしては、政党や立候補者、そして投票者さえも明確なビジョンが欠けている点であるだろう。
特に今回の選挙では民主がその政治思想などによって躍進したのではなく、自民(または共産)離れした有権者の消極的な選択として選ばれたに過ぎないであろう事を留意しなければならない。


 無党派層とも言われる人達の増加は、そのまま政治や国家に対する不信と重なる。
不信とは行かなくとも、どこか決めあぐねているのには変わりない。
それは、一つには求心力のある政党や政治家が居ない事が大きい。
鳴り物入りで登場した小泉政権も、次第にメッキが剥がれ落ち、国民が期待(或いは依存)するに至らない事が解り始めると、当然支持率自体低下する。
そして更に、イラク問題や年金問題などが目に付き、この数週間の間に曽我一家再会などで優位に立とうとしても、そのあざとさが逆に仇となったのではないか。


 今回の選挙は、まあ中間発表みたいなものだから、内閣の進退を決定付ける程ではないだろう。
それは、更に先の衆参両院選の話になる。
しかし、正直に感想を言えば、自民はもっと低くなるかなとは思っていた。
蓋を開けてみれば単に共産の大打撃、かつ公明の存在意義の増加た。
その意味では、今回の選挙の勝利者は民主ではなく公明だな。
本来、政治と宗教は分離すべきなのになあ。まして宗教に絡む党が、政治の大局を左右するようであってはならんと思うが。
これで、まだ地方に多いと思われる、土建業者などに代表される強力なコネを排除し、各個人が好きずきに投票していたら、更に混迷を深めただろう。


 まあいずれにしても、この選挙で一番おかしいというか、変だなと言う点は「消去法によって選ばれてる」点なんだろうな。
ただその一方で、例えば強力な求心力を持った政党や政治家が出て来た時の事を考えると、それはそれで厭な感じ。
俺自身、この選挙結果を踏まえて、何とも言い表せぬ曖昧な感じを受けそれを文章にしているのだが、それが今回の結果そのものを実は上手く表しているのかも知れない。


追記 あ、でも九州などの保守が強いとこでも民主が伸びたってのは大きい意味があるね。
既存の、経済成長期を代表とするような自民党型政治(=一例を挙げるなら公共事業発注による富の分配システムとか)がそろそろ限界に来ている事を示唆していると思うんだけど。