PTSDになったぽい

 書くべきか書かざるべきか、非常に逡巡したのだが、自分自身の事を書く日記なのだから問題は無いと判断して書く事にした。


 ここの所、俺やたらとブルーな事書いてる上に、日付が随分と飛んでいるでしょう。
どうやら、俺はPTSD(Post-Traumatic Stress Disorder、日本語では「心的外傷後ストレス障害」と呼ぶ)に罹患したっぽい。
ベトナム戦争で注目を浴びた症状で、最近中越地震などで報道されてるから耳にした人も多いでしょう。
PTSDにかかっているかは、具体的には以下に記す事柄の4つの項目を充たしていることが前提と成る。
項目その1、がひとつ以上。
項目その2、の心的症状が2つ以上。
項目その3、の身体的症状が2つ以上。
項目その4が当てはまる。


(項目その1)生命が脅かされる体験をした場合。

  • 1.生命を脅かされるような出来事を自分が経験した場合。
    • 事故、災害、事件、大病、手術、戦争など自分の生命が脅かされるような体験によるトラウマ(心の傷)がPTSDを引き起こす。実際に怪我をしなくても「殺される、死ぬ、と恐怖すること」自体がトラウマ(心の傷)となってPTSDになる。
  • 2.生命を脅かされるような出来事が、自分の大切な人にふりかかった場合。
    • 身近な人が、生命を脅かされるような体験をしてPTSDに苦しんでいる場合に周りの人が、一緒にPTSDになる場合がある。身近な人とは、親友や家族など毎日の生活に無くてはならない大切な人々を指す。
  • 3.生死にかかわるショッキングな場面を目撃した場合
    • ひどい交通事故を目撃した、犯罪の現場に遭遇したなどショッキングな場面を目撃した場合、又は警察や医療関係者など犯罪や災害の救助にあたる人が、あまりの悲惨さにPTSDを起こす場合もある。


(項目その2)トラウマに関連する心的症状がある。

  • 1.離人
    • 離人感とは、自分が自分でないような、自分がその場に居ないような事。PTSDでは被害のショックで離人感が強くなる。
  • 2.失感情
    • 上記の離人感と似ているが、こちらは「感情が湧かない」という症状を指す。事件の後、事件がまるでテレビの中の空絵事のように思えたりして、かえって冷静になってしまったりする。
  • 3.フラッシュバック
    • 事件の後、日常生活の中で、ふと事件の情景が頭を走馬灯のように通り過ぎ、自分でも感情の収拾がつかなくなる症状のことを指す。トリガー(事件を思い出させる事や物)がきっかけに発生する場合が多い。
  • 4.悪夢や睡眠障害
    • 寝ている間に、脳がトラウマを癒そうとして、悪い夢を見たり、夢の中で叫んだり、寝汗をかいたりする。このような症状から、不眠などの睡眠障害がおこる場合もある。
  • 5.対人恐怖や引きこもり
    • トラウマにより、人を信用できなくなったり、人が恐くなってしまったり、自信を失ってしまったりする。そのため人と話すのが億劫になったり、外に出るのが嫌になってしまったりする。このような症状が酷くなると、アゴラフォビア(空間恐怖、広場恐怖とも呼ばれる)や対人恐怖、パニック障害になる。
  • 6.鬱、やる気の無さ、無関心
    • ショッキングな出来事を体験する事で、日常生活がどうでもよく思え、やる気がなくなる。平和な日常がどうでもよく思えたり、今まで好きだったテレビ番組やゲーム、趣味などにも関心が湧かなくなる。性的関心もなくなる。これが酷くなると、鬱病となる。


(項目その3)トラウマに関連する身体的症状がある。

  • 1.パニック障害
    • 理由も無いのに、突然、心臓がドキドキしたり、冷や汗がでたり、めまいが起きたり、吐き気がしたり、失神したり、発熱したりします。心配事がどんどん頭を占領して、にっちもさっちもいかなくなる人もいる。
  • 2.怒りやイライラ感
    • 訳も無くイライラしたり、八つ当たりがしたくなったり、怒りの感情が湧くことを指す。どうしようもなくなって、ケンカをふっかけてしまったり、無謀な運転をしたり、危険な行為をしてしまったりする場合も、怒りの変形である場合が多い。
  • 3.過度の驚愕反応
    • 大きな音がすると過剰に反応してしまったり、寝ている間にささいな音で飛び起きてしまったりすることを指す。
  • 4.集中力のなさ、刺激の追求
    • やる気がおきなかったり、一つの事に集中できなくなる。また反対に、刺激を求めて、ひとつの仕事を続けていけなくなったり、放浪したり、定住できなくなったり、性的に淫蕩になったり、ギャンブルやアルコール中毒になる場合もある。


(項目その4)症状が持続している。

  • 項目その2とその3で述べられた症状が1ヶ月以上続く。PTSDでは、上記の心的症状と身体的症状が、「原因となるトラウマの起こった日から数えて、1ヶ月以上続くこと」が前提。


 俺は項目4にまだ該当してないが、1,2,3それぞれ合格ですよ。
大学時代、法律を半端にやっていた他に、半端に心理学などを囓った所為もあって、PTSDだとかDSM-Ⅳだとかってのは一通りは知っていたけれども、いやあ真逆自分がそうなるとはね。
しかも、俺の場合は、俺自身がトラウマとなる出来事に遭遇した訳じゃないんですよ。
項目1−2に該当、ですな。


 正直、ね。
こんな事ガタガタ言ったり、「僕ちんPTSDです」なんて弱者ぶるの大嫌いで。
自分自身の心の弱さを認め、露呈しているようじゃないですか。
多分、これ読んでる人も、自分の事でも無いのに甘えた事云ってんじゃねえよ、と言う様な感情を抱くでしょう。
けどな。
なっちゃうもんはしょうがねえ。
調べていくとどうも、心の強弱なんぞ全く関係なく、むしろ一般的に「強い」と言われている人の方が成りやすい様だ。
おまけに、自分の行動が招いた事であれば自分で納得も出来るかも知れない。
しかし、例えば普通に青信号渡ってて、そこに信号無視して猛スピードで車が突っ込んで来て事故にあった場合に、またはその事故に自分の大切な人間が巻き込まれた場合に、「気を付けてればそんな事にならなかった」「お前にも落ち度がある」なんて事があるか。いやない。


 自分自身のこの状況を省みて、一つ言える事は。
いつ何時、どのような形で災厄は訪れるか分からん。
俺の事は、諸君らにも決して他人事ではない。
対岸の火事のように見えて、実は徐に自身も火に包まれる事もあるのだ。


 いやね、マジで辛いっすよ。
辛(から)いんじゃ無いよ、辛(つら)いよ。金無えから診療もロクに受けられんしな。
ただ、このまま暗澹たる気持ちを引きずって行く事もしたくはない。
俺は運命論者ではないが、これが運命だとすれば抗おう。
そう、この侭では終わらんよ。
それに、言うじゃないか。茶器は傷を上手に修理して長く使ってる物の方が上物だと。
いや、無いに越した事はないが、割れたり欠けたりしたものを漆や金蒔絵などで直し愛着を持って使っているものは上物。
傷の一つや二つ、綺麗に直して上物としてみせるわ。