性犯罪者監視制度導入や刑法改正を受けて

 警察庁は性犯罪者による再犯を防ぐため、性犯罪の前歴者の居住地を全国の警察が把握できる制度を新設する方針を明らかにしたという。
ソースは>>こちら
早稲田の、スーフリ集団強姦事件から端を発し、奈良で起きた、女児暴行殺害事件を以て行き着いたと言っても決して過言ではないこの傾向は、まだ様々な議論の余地があるとはいえ、概ね歓迎出来る流れであると言える。
そう言えば、先月の頭には刑法の改正によって一部の罰則が厳しくなったし(詳細は>>こちらのページにその分かりやすい比較がある。一度ご参照あれ。)、またもう10年以上も前から俺が口酸っぱく言ってきた被害者の権利保証と拡充に関しても、犯罪被害者等基本法の成立(概要は>>こちら)によって、半歩は前進したと見る事が出来よう。
ストーカー規制法のような、あって無きが如きザル法でも、無いよりは遙かにマシであるし。


 以前、ミーガン法という、アメリカの性犯罪者に対する法律の導入をこの日記で提案した事もあったが、この度の警察が把握する制度は、その前身となるものかも知れない。
ただ、憲法上の一時不再理*1に思いっきり引っかかる上に、これが結局警察の中だけで使われる侭では、その本来の目的を果たす事もないと言う問題点があるのだが。


 性犯罪者は、何度も同様の犯罪を犯す傾向が極めて強い。
それはモラリティの問題だけではなく、性が暴力や支配などと強く結びつく事や、対人関係の構築能力、他者との共感能力の欠如などにも大きな関係がある。
強姦などを好む輩の多くは、相手を対等の人間と見なす事をせず、単に自己の性衝動のはけ口として女を道具として見なし行動に移す訳だし、また、幼い子を目標として狙う輩の多くは、「確実に自分より弱い」からこそ目標としている事だろう。
それを改善、矯正するには人間の精神的な部分に斬り込む必要がある。
その意味で、初犯で、かつ軽微のものなど早期の人間に対しては精神的治療プログラムの適用をする必要が不可欠なのだが。
まあ、本音から言えばロボトミーとか洗脳とかしちゃえ、と思うんだがね。でも初犯でそれはやりすぎか。


 問題は、幾度も再犯するような奴。
しかも、殆どの場合に於いて一度強姦した奴ってのは味を覚えて何度もする訳で。
これには、どうしても被害者が警察に届けにくい、と言う理由や、届けると噂が立つなどを含めたセカンドレイプの存在が加害者の立件を遠ざけている事実は否定出来ない。だからこそ、冒頭で語った犯罪被害者等基本法が重要な意味合いを持ってくるのだ。
本来、何の咎も無い筈の被害者が下を俯かねばならず、犯罪者が堂々と、かつぬけぬけと存在出来ている事がおかしい。
そう言った現状を貴奴等は都合良く利用している。


 英国では、性犯罪の常習犯などの足首に信号発信装置を付け、全地球測位システム(GPS)で監視する措置を実験的に始めているし、ノルウェーでは有罪判決を受けた強姦および小児性愛犯罪者らに対し、政府の認可のもとで強い性衝動を抑える為の化学的去勢が行われた。
日本では往々にして強姦や強制わいせつなどに対し「甘い」と言う意見があり、俺もまたその様に思っているのだが、いっそこれくらいまでして、「強姦はリスクが高い」と思わせる事は重要では無いだろうか。


 こう言う厳罰化論を出すと、必ず「法の厳罰化は必ずしも犯罪抑止たり得ない」という反論があるのだが、軽いより良いだろう。
刑法が改正された今は、強姦は執行猶予のつかない懲役刑となった(=逆に言えば、それだけ重い犯罪であったにも関わらず軽視されてきていた)が、例えば罰金5万程度で釈放されるようであれば、再犯率が高まるのは目に見えている。それは先程述べたリスクとリターンの問題である。
リスクの高さをアピールすると共に、今も野放図にされている犯罪を助長するようなAVなどの取り締まりを強化すべきである、と言うのが俺の持論だ。


 俺達は人間である。動物と人間とを隔てる大きな違いは、その固有の理性であるだろう。
各個人がそれぞれ抱く性的嗜好に対し、俺は何の興味もない。また、干渉すべきではない。それぞれの理性に基づき、その各個人の嗜好が内的に、或いは他者との合意の上で果たされている処理されているならば。
しかし、その性的嗜好が他者に対し大きな悪影響を及ぼすようになれば話は別である。少なくとも、被害者や周囲の人生を左右しかねない程の問題である事は考慮されねばならない。
自己の一時的な、そして手前勝手な欲求の結果、他者の人生が翻弄されて良いか。否。
無論、これは性犯罪に留まらず、須く犯罪に対し言われるべきことであるだろう。
だが、殊、性犯罪に於いては「やった者勝ち」的な印象が今だ強い。それはリスクとリターンの問題や、人間同士の間でのパワーバランスを勘違いしている輩が多い事もあるだろう。立場を利用したセクハラが尚止まないのもこのパワーバランスの勘違いによるものだ。


 上述の通り、性犯罪には様々な側面が付きまとう。モラルの問題、対人関係の問題、思想の問題、脳の問題、社会システムの問題、など挙げていけば軽く一冊の本が出来上がるだろう。
しかし、だからと言って軽視すべき問題では無いし、赦してはならん犯罪である。
この、刑法改正や警察による監視システムの導入などが、一人でも性犯罪者という屑風情を生み出さない為の一歩となれば、俺は嬉しいのだが。


 因みに、俺が今のところ理想とする性犯罪者への罰則は。
初犯・懲役刑と矯正プログラムの実行。
2回目・片方のキンタマ切除。以降一回ごとにもう片方、陰茎部分と切除。5回目で無期重労働。その賃金は被害者救済に。
え? 犯罪者の人権? いらんだろ、そんなの。
悪漢に御仏の慈悲は無用!

*1:憲法39条:何人も、実行の時に適法であった行為、又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない。