「サイレン」映画版鑑賞報告

 PS2のゲーム「サイレン」を映画にしたのを友人と見てきた。
ゲームの、「サイレン2」はすでに購入していて−感想はいずれ−、結構期待して見に行ったのだけれども。


 えーとね。見に行っちゃいけない。金もったいないよ。
ゲームの、あの独特の日本の閉鎖的な田舎の雰囲気は無いし、廃墟もなんだか安っぽいし、じゃあ映画として出来が良いかと訊かれたら「いいえ」と即答出来る。
全体的に消化不良なのよ。


 話のあらすじとしては。
子供の病気の治療の為に伊豆沖合に浮かぶ、青空まぶしい「夜美島」−かつて全島民消失事件が起こった島−に到着したライター、森本レオ一家(レオ、娘ッコ、小僧)。
その島には「サイレンが鳴ったら外に出てはならない」と言う風習があるが、主人公の娘ッコがサイレンを聞いた時から不可解な事件に巻き込まれていく。


 以下ネタばれ。反転。
だがサイレンなどというものは本当は鳴ってはおらず、島に渡ってきた目的である小僧の静養もすべてが実は娘ッコの妄想で、本当の目的は心を煩った娘ッコの静養。
註:劇中のカルテには「解離性人格障害」と記述されていた。幻覚を見るのは「解離性人格障害」では無くて「統合失調症」、或いは「妄想性人格障害」ではないのか?
結局、29年前に起こったとされる全島民消失も、その時に「サイレンを聞いた」という妄想にうなされた精神病者が島民全員を殺戮し、後に自殺しただけと言うオチ。
全島民が殺されたのなら普通は消失とは言わず連続殺人と言うだろうが。


 あのですな。
あのオチはやったらあかん。理由の一つは「間違ってる」。
第二に「徒に偏見だけを助長させる」。
複線も結局すべて「あのオチ」に集約されてしまうから意味が無くなる。
脚本家が途中で飽きたんじゃないかとさえ思う。


 と、けなしてばかりでも何だから、面白かったところ。
森本レオ大暴れ」:普段癒し系のレオが屍人となって大暴れ!
このギャップに俺は何故か爆笑。
「ココリコ田中の屍人化」:これも安いギャグっぽい。
…あれ?これホラーだよね?

 なお、ゲームの方は面白いことを付記しておく。