「サイレン2」 レビュー

 (頭からシーツをかぶり、両手を前に差し出しつつ)おーばけーだぞー!
皆さん驚きましたか。驚きませんね。こんばんは、Wacremaです。
先日の映画のレビューに続き、今回はゲーム版サイレン2のレビューです。


 まず最初に感想を述べると。
良いですよコレ。ゲームを買うなんて下手したら1年ぶりくらいなんだけど、買った甲斐はあった。
全作で非常に不満のあった難易度も自由に選べ、進行する上で苛立つ事は無かったし、ヒントも難易度を低めにすれば逐次出るのでその通りに進めば滞り無く進める事が出来る。


 話は、映画と同じ「夜美島」での出来事。但し、映画の真っ青な空の下、無国籍風な島ではなく、夜闇と厚い雲に包まれた純和風の島。
29年前に発生した海底ケーブルの断線事故と同期するようにして住民全員が失踪し、無人島となったこの島に、様々な理由から集まってしまった人々が、どこからか鳴るサイレンとともに巻き込まれる災難。


 この夜美島、ベースとなってるのは紛う方無き「軍艦島」。廃墟マニアにはたまらんですな。
他にも、島に設置された砲台跡、廃坑、廃アパートなど、近代の所謂昭和テイストの廃墟探訪が出来ます。
あくまでも極個人的な好みとして、「海の廃墟」よりは「山の廃墟」、「昭和中後期」より「それ以前」のが好きなので、その点で物足りなさはあるけれども、より精密に描き込まれた廃墟は及第点。
古アパートの垂れ下がった天井のベニヤ板などの表現は秀逸。


 前作が「いかに見つからず突破するか」という隠れん坊ライクなゲームだったのに対し、今作はブッ倒しつ進む。
そのために、前作の見つからないように進む緊迫感、そして見つかった時の「ヤバい感」が今回は「見つかってもぶん殴れ!」と言う様に変遷してしまったので−但し、これは敷居を下げた結果でもあるので一概に否定も出来ないのだが−、結果、恐怖というものも希薄となってしまっている。
また、前作で見られた閉塞感や土着的な狂信めいたものも薄くなっている。それは残念。


 もう一つ、残念だったのは「闇人」と呼ばれる新たな敵。
当初、「光を嫌う、人を超える存在」などと謳われていて、発売前の公式ページを見て勝手に想像していたのは、「懐中電灯を消すと闇人に襲われる、つければ屍人に見つかる、どうすんじゃい?」と言う展開であったが、実際にはなんかわらわら寄ってくる邪魔な雑魚。懐中電灯つけて照らしていれば勝手に消滅するし、点けなくてもブン殴れば良いだけ。正直要らなかったかも。


 とはいえ、お勧めであることに変わりはない。
PS2持っていて、最近ゲームしてなかったけどどうかな、って人やホラータッチのものが好きな人には是非。
攻略本の類も必要はないし、最初から見て進むものでもない。


追記:個人的に面白かったポイント
ピエール瀧の大根役者っぷり。
・ともえたんのデザイン面での奇天烈っぷり。
セーラー服と機関銃と日本刀。
・ビバ須田。