でかい漫画喫茶に大喜び


 ♪DA・YO・NE〜! DA・YO・NE〜!
最新のHIPHOPをお届けし乍らこんばんは。WACREMAです。


 今日は日曜、スロなんざ打つ気は無いが街に出る。
買おうかどうしようか迷っていた漫画があるのを思い出し、「そうだ、京都行こう」宜しく、本屋へと足を運んだ。
岡崎京子の「ヘルター・スケルター」という漫画で、作者である岡崎京子自身は数年前に遭われた事故の影響で未だ起きあがれないで居るのだが、何故か彼女の最新作が出たと言うのだ。
恐らく、その事故に遭われる直前に描いたものだと思うのだが、それが漸く日の目を見たらしい。
俺が買うのを躊躇っていたのは、読むと絶対ブルーな気分に陥る事が分かっているから。
だが、読んでみたい欲には抗えず、遂に決心したのである。


 所が、以前見かけた筈なのに見あたらない。
3件程探してみたが、何処も見かける事すら出来なかった。
無いと余計に見てみたくなるのが人情と云うもので、考えあぐねた挙げ句、漫画喫茶で読めば良いじゃんと結論を下す。
ちょっと読んでみたいけど、買うのもどうか、と言う点でもうってつけだ。


 俺が赴いたのは大きなアミューズメントビルのワンフロアにある漫画喫茶。
もともと、設備は良いと話には聞いていたので一度入ってみたいものだと思っていた所だ。
受付を済ませてから席のある方へと行ってみたが。
でけー!
ボーリング場や、大きなパチンコ屋の上がまるごと漫画喫茶になってるだけあって、席は200以上あるだろう。
しかも個室の様になっている各ブースの中も広めで楽々足が伸ばせ、カップル席や6人くらいまでなら入れるようなブースもある。
天井も高く、清潔な感じで、かつ静か。その静けさ故に、掛かってきた電話に思わず小声になって仕舞う程。
俺の行った事のあるマンガ喫茶は大抵狭いブースで、天井も普通に低く、煙草の煙が充満している感じだったので一気に予想を覆された。


 フリードリンクの所から珈琲を入れ、女の子のマンガコーナーで岡崎京子を探す。
…えーと。無えじゃねえか!早くも目的を失う。
そう、ここは各席の多さや居心地の良さと裏腹に置いてある本の数が少ない印象があった。いや、勿論かなりの数はあるのだが、席の数と比例していない。
まあ、折角入ったんだから、と読んでみたかったものなどを手に取り席に戻る。


 何せ広いから、一冊読んでは戻し、とするだけで面倒臭い。
本棚のあるコーナーを一巡し、目に付いたものを両手で抱え込む程に持ってきては読んでいく。
そして、総て読み終えてから一気に棚に戻していく。
所が、沢山持って来すぎて何処に戻して良いか分からなくなる。是、阿呆の為す事也。


 結局、マンガ一冊読んで出る積もりだったのが気が付けば6時間も滞在。
流石に料金が怖かったが、2000円ちょっとで済んだ。あら、以外とリーズナブルなのね。
俺が滞在してる間に読んだ冊数は20冊はあっただろうから、ま、元は取っただろう。


 思ったのだが、こういう感じの図書館があればベスト。
煙草が吸えて、珈琲が飲めて、そしてマンガだけでなく様々な本がある所。
一冊の単価ではマンガよりもやはり、本の方が高いのが多い。特に美術書の類や、専門書など買おうと思ってもなかなか手が出しにくい。
原宿のとあるカフェでは、デザインや美術の本が無料で読めるのだが、あまり粘れる雰囲気ではないのと、そこまで行くのが正直タルい。
だからこそ、こうした所で高価い本を読む事が出来たら、と思うのだ。
まあ、その為には本棚コーナーに少なくとも本屋一件丸ごと入るようなスペースが必要で、十分な採算性があるかと云えば微妙な所ではあるが。


 でも、そんな所があっても良いよな。
そうしたら多分、俺はもの凄い勢いで入り浸るだろう。
あ、いや待て。やっぱ無い方が良いかも。下手したらそこに住み付き兼ね無い。
今でさえ、只の大きな本屋に行く事だって自粛しているのだから。
だって、一度行くと4時間は立ち読みしてしまうのだもの。
そう考えると、出来ないで欲しい。でも出来て欲しい。そんな二律背反。