酒に酔って騒ぐと言う事


2年振りに大阪から友人がやって来た。
まずは挨拶として蹴りを入れ、関東に住む別の友人達も合流し、共々、居酒屋へと歩む。


 何気に、いわゆる居酒屋に行くのは久々。学生の頃は良く使っていたけど、少人数で飲むなら騒がしく無い方が俺は好ましい。故に、最近は隠れ家的な店ばかりだった。


座敷に通されると、隣のサラリーマン集団は既に出来上がっており、下卑た冗談に男女、大声で笑いあっていた。時に鼓膜に響く位。
その、必要以上に大きな声で話すのは、酒で高揚した精神が自己を殊更に主張したがって居る為ではないか、等と意地悪く分析をしてみたり。


勿論俺も、酒を飲めば精神は高揚するのだが、逆に酒の力で意図的に自らを高揚させ大はしゃぎしているのを見たり、或いは自分がその輪の中に入ってしまうと、無理に騒いで居るような偽物臭さを感じ、妙に萎えてしまって、時にはここに自分が居るべきでは無いと言う錯覚さえ抱いてしまう。


サラリーマン達の浮かれ振りにその偽物臭さを感じ、そして翻って自分達の浮かれ振りにも同じようなものを感じとってはいた。
いや無論、そもそもの個人的な性格、簡単に言えば陽気であるとかそんな事が大きな要因であるのは分かっている。それを偽物だの言うのは阿呆らしい。
だが同時に、酒を飲んだら騒ぐもの、と言うのもステレオタイプ
自然と盛り上がって来るのと、意図的に騒ぐのは隔絶の感がある。

久々に会う友人達と、周りの喧騒を余所に、何故か独り場違いな所に居る気がしていたのは、恐らくそのあたりにあるんだろう。
楽しくなかった訳じゃない。いや、むしろ逆に、俺は楽しかった。
なのだが、俺の心に、小魚の骨の様に何か、気になるものが刺さっている、そんな印象もまたあったのは事実。ま、単に束の間の、気分的なものかも知れないけれど。


追記 二日酔いで頭痛いのでこんなのですんません。推敲してないし。