真夏の海

Wacrema2003-08-13

 ♪海に連れて行って 貴方の車で 天気予報明日は晴れ 朝一番の早起きで待ち合わせした(小島麻由美・「真夏の海」)
つう事で行って来ましたよ。車では無く電車で、天気予報は午後から雷雨ってとこが違うけどな。
面子は地元の友人、それから別の友人夫妻、そしてその子供、と計6人。
普通、こういうのって家族だけで行くよなあ、と心の底では訝しさはあったのだが。
まあ、一つにはその友人夫妻の「どうせ行くならあいつらも呼ぼう」という計らいがあったのだが、どうみてもその裏側には俺達に子供の面倒見て貰って、自分たちも息抜きをしようという魂胆が見え隠れしているようでならない。


 とはいえ、俺も誘って貰うのは吝(やぶさ)かじゃない。
一人ではやっぱり気兼ねしてしまって、来られなかったから、実はとても楽しみ。こうして海に来るのなんて何年ぶりだろう。
天気予報とは裏腹に、葉山御用邸近くの海岸は快晴、波の高さも高すぎず、低すぎず。
水着に着替え、日焼け止めを塗り砂浜に出る。
周りには黒く、或いは紅く日焼けした人達も多く、俺の白さが非常なコントラストを醸す。
んー、やっぱり友達と一緒で良かった。一人では気後れしていた事だろう。


 準備体操を終え、いざ、海へ。
バタフライをし、疲れたら背泳ぎに変え、徐(おもむろ)に息をたっぷりと吸い込み静かに深く潜行する。
息が上がったら再び、体を浮かべて波間に揺蕩(たゆた)う。
浜辺から流れる有線の音楽を聴きながら水に包まれる。
気持ちいい。何て気持ちが良いのだろう。
と、調子に乗っていたら寒くなってきたので浜に上がる事にする。
友人の奥方の水着がコルセットの様な、ビスチェの様な面白いデザインをしていたので問うた所、独身時代に買ったものだと言う。
値段を聞けば40万。
この世に40万もする水着が存在する事を始めて知り、愕く。


 浜では、睡眠不足の友人が本気で寝始めて居たので、そのまま、半ば慣例であるかのように砂に埋める。
体を丸ごと埋め、砂で乳房を付け加えたりする内に、俺の凝り症な所が出始め、結果、非常にリアルな砂の裸像を作り上げてしまう。無駄な知識と技量の集大成。
一仕事終えた後に、俺も浜辺で横になっていたら唐突に大雨に降られる。
天気予報、正解。そして俺達らしい展開。
皆が慌てて海の家やパラソルの下に逃げ込んでくるのと裏腹に、猛ダッシュして海の中に飛び込む俺。
バカ一匹此処に在り。


 海中に潜り、空の方を向いてみる。
雨が海面に当たる光景と、テレビの砂嵐の時のようなノイズが聞こえるのが面白い。
なんだかとても、奇妙な気分になる。
何度か潜ってその光景を見ていたら、雷鳴が聞こえたので慌てて岸に上がる。流石に雷の最中、海に潜るのは危険だ。
海の家に戻ったら丁度、雨が通り過ぎるまで飯を食おうと言う事になっていた。
そうだな、俺も流石に腹が減った、と答えると、腹が減って当たり前、お前は子供よりはしゃいでいると云われる。
それはそれで、ムカつく。


 俺は海の家でラーメンを、友人はカレーや焼きそばを頼んで昼食。
料金と味のアンバランスさ。これが海の家で食う飯の醍醐味だろう。
期待などしていないにも関わらず、やっぱりマズイと思わせるあの味は、逆になかなか醸し出せないものだ。
海の家で間違って凄く美味しいものが出てきたりなんかした日には、どうしたんだろう、とか大丈夫かな。とすら思ってしまうもの。


 飯を食っている間に雨は過ぎ、再び薄雲の間から太陽が顔を覗かせ始めた。
やはり雨の所為で気温、水温が下がり、正午までの心地よさは半減。
ちょっと泳いでは寒くなって休憩、と言うのを繰り返し、夕方近くになったので撤収する事にする。


 ああ、やっぱり海は良い。
どうしても気後れなどしてしまうから、気軽に一人では来られないのだけど、その分堪能させてもらった。
水に包まれる事の気持ちよさ、それを次に味わえるのは果たして何時か。
ま、そんな水が恋しいならプール行けばいいんだけどな。


追記 何か忘れてたなと思ったら、水着ギャルウオッチング忘れてた。勿体ない。


併記 子供の面倒はちゃんと見ましたよ。叱りすぎて敬遠されるに至ったけどな。
でも、悪い事をした子供は叱るものだ。自分で云うのも何だが、それは間違ってないと思う