倦怠・疲弊

 なんだかもう、色々と疲れたよ。
こう言う時、俺は決まって、横山光輝版「三国志」の、諸葛孔明今際(いまわ)の言葉を思い出す。
「あの空の極はいずこであろうのう」という言葉。


 いや、死にゃあしねえよ。
偶に生きていくのが面倒で、厭になったりもするけれど、それでも、人様に「死んだらあかん」と言っている以上、手前勝手にそれを反故にする訳にも行かないから。
生きて行かざるを得ないのが、生物としての使命だ。


 なんだけど、時にこうして疲れ果て、総てが厭になる時もあるさ。
生きていくと言う事は、何と面倒で、疲れる事なんだろう。
だが、それでもその合間合間に(まばゆ)く輝く一瞬があるから。
その事を知っているからこそ、生きて行く。