なぜ売春は悪か・序

 ここの所、売春と言った事を軸に二つ、事件が起きているのは諸君もご存じだろう。
一つは、埼玉県議会の議員6人がタイに視察に行った際、公金を用いて売春した疑惑。詳細は>こちら。
そして、もう一つが中国に社員全員での売春旅行を敢行した会社の人達がICPOに指名手配された事。詳細は>こちら。


 最初は彼らの、モラリティというか公的観念の無さに噛み付くつもりで考え始めたのだけど、では、そもそもなぜ売春が悪いのか、と言う事を明らかにしておかないと話が進まないだろう故に、俺なりに考察してみる事にする。


 まず、俺の売春に対してのスタンスを明示しておかなければならないだろう。
個人間における、同意の下に行われる売買春行為は悪い事でも何でもないと捉えている。
また、その責任自体も各個人に帰属し、行為を行うのであれば、各個人が、相応のリスクと責任を負担せねばならない。
勿論、知識や情報、自我の未発達な未成年に対して行われる行為は弱者に対する犯罪そのもので、それらは厳しく取り締まられねばならないし、許してはならない。


 俺が、上記の記事になっている様な輩に腹が立つのも、そこに起因するものだろう。
公金を用いての海外視察で、或いは社員皆が行かなければならない会社全体の旅行で、と、あくまでも個では無く公として売春行為に及んだ点が、腹立たしいのだと思う。
更に付け加えると、国内では犯罪として−とはいえ、ソープとか行けば普通に出来る事ではあるのだが−認知されている売春行為を、国外で行って何とか目を盗んで免れようとするあたりの矮小さ、恐らく彼らの中にあったであろう、「日本人じゃないから女買っても良いや」と言う蔑視感、安くすませて仕舞おうというセコさ。それらが同じ男として、彼らに怒りのような感情を感じさせる。


 個人として、ソープ行ってみたりストリートガールを買ってセックスするのは、正直どうでも良いんですよ。
上述したとおり、それはあくまでも個人それぞれの好みの問題だし、そもそも性欲を抱く事自体は男女を問わず存在する本能。
それを変に抑圧し、その結果性犯罪の類を招くよりは、合意のもとで、かつ金銭で解決出来るのであればその選択肢も残しておく方が良い。寧ろ、健康的な社会だとすら言えるだろう。
少なくとも、身体感覚を伴わない侭、相手の痛みや快楽などを気遣わぬ侭に脳内で妄想に耽り、やがてそれが暴発してみたり、メディアやエロ本、エロビデオ、エロHPなどで得た間違った知識を真に受け他者を蔑ろにしてみたりするよりは、金銭と引き替えに快楽を買う事を認める方がマシだ。


 にも関わらず、売春行為が悪であるかのように論じられるのは一体何故だろうか。
今日これ以上書くと長くなるので続きは明日。