「EZTV」のパチスロ特集を見て立腹/北海道土産の二つ

はーい、今回は二本立てです。
いや、昨日書いたんだがアップする前に寝てしもうてな。


 日曜の夜に放映されたフジテレビ系列の「Ez!TV」という番組で、「就職したいが…パチスロに生きる20代」と題された特集を組んでいた。
似たような境遇でもある事だし、と、見始めたが。


 二人の、所謂スロプロを焦点に合わせ立ち回りや心境などを聞いていたが、何やら胡散臭い匂いがしてならなかった。
まず、皆簡単に楽して月数十万勝てるような事を番組側としては誇張していたが、そんな事は数パーセントの人間にしか為し得ないだろう。
肩や腰は痛くなるし、何よりも台に対する知識と設定の善し悪しを見抜く事無しに勝ち続ける事は出来ない。
娯楽として打つ人は運任せで良いのかも知れない。しかし、金を得る手段として考えるとあまり負ける訳には行かない。堅実に勝ちを重ねる事が重要となる。


 しかし、登場していた若者達は決して堅実とは言えない立ち回りをしていた。
また、俺が抱いていた(いぶか)しさを決定的にしたのは、一人が終日打って得たコインの数であった。
彼が打っていたのは「イレグイ」という台で、一日13時間打って14回だかの大当たりを引き、4000枚程のコインを得ていたのだが、それはあり得ないのである。


 簡単な算数の問題で。
この台はコイン50枚で約25回転させられる。
1時間(約600回転とする)廻すのに必要なコインはおよそ何枚か。
答えはおよそ1200枚。実際には、もう少し変動はあるけれどこんなもんだろう。
大当たり一回で獲得出来るコインを550枚、小当たり一回で120枚と換算すると、一時間あたり2回の大当たりと一回の小当たりが来ないとプラスにならない。
勿論、一気呵成に当たる時があるから、そう言う時は持ち玉も一気に増えるのだが、4000枚程コインを得る為には8回は一気に出ないとならない。
14回当たった内8回が一気呵成に出たとなると、残りの時間は殆ど当たっていない事になるし、13時間打って4000枚程プラスには、14回当たった程度では為し得ないのである。
そう、つまり「やらせ」。適当に、沢山出ているように印象づけたのである。


 そこに気が付いてから白眼視しつつ番組を見ていたが、結局、何を言いたいのか分からない番組であった。
「楽な事じゃないよ」と言う事を代弁してくれるものかと思っていたがそうではなく、逆に楽出来ますよとアピールするような内容であったし、勝つ事の裏に居る負ける人達や、或いは負けると言う事自体には全く視点を向けられて居なかった。
また、題にもある「就職したいが」という言葉が全く生きて居らず、俺はてっきり就職難を軽く批判でもするのかと思ったらそういう訳でも無いし。
更に、先述したように登場していた人物達も、立ち回りがヌルすぎる。人様の事を偉そうになど言えず、俺自信もヌルいなあと思うが、俺以上にヌルい。理がない。
こんなのをスロプロの実態などと思われては勘違いも甚だしい。あんな程度で月数十万も稼げるのなら、俺なら幾ら稼げている事か。
虚像と実像の差異をこんなに感じる事は希有ですらある。


 多分、この日記を読んだ人の中にも、番組を見た人は居るだろう。
だが、決して鵜呑みにしない事だ。
確かに、彼らが言っていたようにスロって楽して稼げるような物じゃない。体痛くなるし、出せば妬まれて嫌がらせもされたりする。けれど拷問とは思わないし、何よりも楽しいと思うからこそ打つ。
しかし肝心なのは、勝つための執念−それは情報などもそうだし、技術力などもある。
そこを疎かにしたままでは単なる運でしかないし−勿論、運も重要な要素ではあるのだが−、そして、運を排除した所にこそ明確な勝ちが見えてくるものだと俺は思っている。
その肝心な所を、番組が見過ごしているのは意図的なものか、それともそこまで頭が回らなかったのか。


 いずれにしても、自分と同じような境遇の者達を見るつもりが、或いは自分の代弁者を見るつもりが、得体の知れない素人を興味本位で描いていると言う番組を見て腹を立てると言う結果になった。
ああ、何だか損した気分。だからマスコミってのは信用ならんのだ。