BSEに絡む牛丼屋報道

アメリカで発見された狂牛病問題から、アメリカ産牛肉の輸入が禁止され、その余波を受けて外食産業が大きなダメージを被っているのは既に諸君も存じているだろう。
特に各牛丼屋では肉の在庫が切れ、牛丼の販売停止に踏み切る。


ある牛丼屋は昨日、最後の牛丼を売り、その模様をニュースは報じていたが。


 さて、噛みつきますよ。
あのなあ。
何、牛丼に感傷たっぷり抱いてんだ。バッカじゃねーの?
いや、確かに感傷的になる人もいるだろうし、特別な思い出がある人もいるだろう。
けどそれはあくまでも個人的なものであって、普遍的な事では無いだろう。また、感傷に訴えるものでも無いだろう。


その対象が代替の効かぬ特別なものであったり、或いはもう永遠に会う事も無くなるなら俺もわからんでも無い。
しかし、輸入再開されるまでの一時的な処置にも関わらず、この扱いは一体何よ?


ある店に入った取材陣は、店の様子を「客は皆、何処か名残惜しそう」と表現し、そして最後の牛丼を食す若者にインタビューをし、「名残深い」と言うコメントを引き出していた。
…そんな訳ねーだろ。
問われたからそう答えたまでだろう。恐らく、問われなければその言葉が出て来たかどうかさえ怪しい。


マリー・アントワネットは「パンが無ければお菓子を食べれば良いのに」と発言し、民衆の怒りを買ったが、今、同じ事をこの日本で言って暴動が起こるか。否。
ならば牛丼無いなら豚丼食えば良いでしょう。安価で、腹に貯まるものは他にいくらでもあるでしょう。


なのに何故、ああも感傷に訴える様に報じるか。
その裏にある伝えたい事は何か。
そこを考えると、どうも単に大衆に媚びた報道とか、そんな浅薄でネガティブな事ばかりが浮かんで来てしまうのは、単に俺が斜に構えているからなのだろうか。