ひとりSM−黒い革のブルース

 さーて皆さん、ハロにちわ。
今日も思いつきで世界の珍人を紹介しますよ。
今日のネタはズバリこれ。「『緊縛』愛好者、縛り過ぎて動けず、警察に救援要請。」
情報元は>>こちら。


 見るのが面倒な人の為に詳しく説明すると。
ドイツの或る都市で緊縛を好む性癖を持つ男が、自分自身を鎖や手錠できつく縛り過ぎてしまって身動きが取れなくなってしまい、警察に助けを求めた。
警官が駆け付けた際の様子では「わずかに羽を突き出し、ヨタヨタと歩くペンギンをほうふつさせた」と説明。
男は警官の手錠の鍵で、無事に救出された。


 調べによると、通報を受けた警察官が男性の自宅に到着したものの、呼び鈴を鳴らし、ドアを叩いても応答は無かったのだが、暫くすると男が窓際に姿を現し、頭部を大きく振って、口にくわえた家の鍵を窓の外に放り投げたという事だ。
その鍵で警察が家の中に入ると、体中に何本もの鎖を巻き付けた男が、体を折り曲げ、ひざまずいて、近寄って来たという。
警官曰く「初めは冗談かと思ったが、巻いたチェーンを手錠でさらにきつく固定しており、頭部以外は身動きがとれない状態だった」。
男は光沢のある黒い皮の衣服と白い靴下を身に付けていたと云う。


 男がどのようにして自身をそこまできつく縛り上げたかは不明で、警察は男に対し、お金はかかるかもしれないが、絶対安全な方法として、今後は自宅ではなく、専門の施設を利用するよう忠告した、と云う話。


 もうね、小島麻由美の「黒い革のブルース」ですよ!
♪黒く怪しく光る革の匂いが敷き詰めていく 
柔らかい肌触り 頬擦り寄せる
あ〜 テュルテュル 時間が止まる 心の地下室
頭の中が白くなり あなたの声は届かない 只聞こえる黒いレザーのブルース
…まあ、この男の場合「あなた」は居なかった訳だが。


 あのさ、俺も若輩者ながらSMは知らん訳じゃ無いんだけどさ。幾つか疑問あるのよ。
緊縛ってソロライブ?
少なくとも縛る人と縛られる人のセッションで楽しむものじゃなかった?
まあ、縛られて屈辱を感じると言う屈辱・羞恥系マゾヒストの他、鞭で叩かれたりされる事で単に物理的苦痛で感じるマゾヒストも居るから、一人で苦痛を味わうってのも居ておかしくはないんだけど。


 ただ、男の場合、性感は最終的に射精を目的とするでしょう。こいつ、どうすんだろう。
もう興奮して興奮して、「波動砲発射用意ー!」って心の中の沖田艦長が叫んだ所で自分で縄解いてソロ活動(または家内制手工業)?


 あと、なんで黒いレザーに白い靴下? そのミスマッチが屈辱的で感じちゃうのかしら。
更に、どうやって電話したの?
もひとつ。警察が勧める専門の施設って何さ。「公立緊縛センター」とか、ドイツにはあるの?
あったら笑うよなー。


 ちょっと諸君も想像してみ給え。
ドイツの職人気質的な感じの男が仕事から帰り。
さーて、と溜息混じりにスーツを脱ぎ、ネクタイを外し、興奮で動悸をさせながらボンテージのスーツを着。
よっこらせ、と白い靴下を履いて。
いそいそと自分に縄をかけているその光景を。
そして、いざ波動砲発射、と云う所で、やばい、縄解けへん、と慌てる姿を。
で、「おまわりさん、たすけてー」だって。
あかん、これは勝てん。勝つ気は元々無いが。


 なんか、オナニーするのも大変だね…。
多分この男の場合、性感もあるけど一仕事終えた後の充足感が強かったのかな。
よし、縛り上げた! 俺お疲れさまー、って云う。
…俺、まだまだ普通だわ。でも普通で良かったわ。
SMって深いのね。でもあまり深いとこ理解したくもないかな、どちらかと云うと。


 あと個人的にはこの男、羞恥系マゾヒストだと思いますよ。
黒レザーに白い靴下って点で。だって、どう考えても格好悪いもの。
その格好の悪さに自分で「この醜い雄豚め!」ってやったと思うよ。
勝手な思いこみだけど、妙に自信を持って。