天井裏から発見されたモノ

 ここ暫く、兎角社会的な事、ちょっと堅い話が続いたので書くのが少し躊躇われる事なのだが。


 7月から、うちら近所一帯で風呂場周りの配管の工事を行う事になった。
俺の部屋は浴室の真下に位置しているので、俺の部屋の天井に穴を空けて工事をし、ついでに天井の壁紙も張り替えなければならんと言う。
そこで、今日はその下見に業者がやって来た。


 当然、コンクリートを削る訳だから粉塵が飛んでしまう。
だから、工事の日までにPC関係全部と、それから4つもの本棚とそれに詰まっている本、床に積み上げている本、クローゼットと服、そう言った諸々のものを待避させねばならなくなった。だけど、正直そんな面倒な事したくないじゃないすか。
なので、今日下見に来た業者になるべく片付けないで良い方法、例えば本棚などをビニールシートで覆ってしまえないか等を提案する必要もあったので、本来なら今日は、いつも行っているスロ屋でオープンX周年のイベントがあって行かなければならんのに、と、思いつつも泣く泣く、その業者に付き添う事と相成った。


 部屋を一通り眺めた後で、「PCはやはり、粉塵を吸い込んでしまう恐れがあるので待避して貰いたい。本棚などは、シートでカバー出来るかも知れない。」という言葉が返ってきた。
そこで「駄目、無理」と言われたら多分「冗談じゃあねえ、こんだけの本片付ける身にもなれ」と切れて居たかも知れない。
少し安堵していると、「ちょっと天井裏、見させて貰います」と、天井の片隅にある蓋を開けた。
そう言えば、そんなものあったんだっけ。すっかり忘れてたよ。


 様子を見守っていると、業者の人が俺を見つめてくる。
いや、見つめるのは天井裏であって俺じゃねえだろ。訝しみつつもそう、思っていると。
「これ、どうします?」との言葉が。
これ? 一体何があると言うの?


 踏み台を代わって貰い、俺が観たものは。


 俺が高校の時に隠しておいたエロ本やエロ漫画。主に無修正、かつ色々とマニアックなのも含め。
間抜けな事に、大学に入って家を離れる時に処分するのをすっかり忘れていたもの。
日陰にあり、保存状態も最良で、10年以上前のものだとは到底思えない。
そんなものが発掘されてしまったのだ。


 「ピヨる*1」と言う言葉がある。
真逆この年になってリアルでピヨるとは思わなかったね。
いやね、例えば友達や彼女にエロ本見つけられるのと訳が違うんですよ。
親に見つかるのともちょっと違う。
なんだろう、一言で言えば「あちゃー」。そうとしか言えない。


 くらくらする頭で何とか、「こちらで処分しておきます」と伝え、業者は、「では電子機器の類だけは待避させて下さい」と言葉を残し、去って行った。
幸いに家人は皆、出払っている。
件のブツを回収し、数多ある雑誌に紛れ込ませて捨てるのは今。
そう思って天井裏から30冊くらいのブツを取り出し、「俺どんなので家内制手工業に勤しんでたんだ?」と何気なくめくっていたら。


 良く俺、こんなのでソロライブしてたなーと言わんばかりのもの、多数。
性癖は年齢や経験によって変化していくものだが、それにしてもな。
特にエロ漫画。今の俺から見れば画力も話の作り方もレベルの低いものばかりで、どうしてこんなのでリビドー感じてたか解らない。
その過去の自分に対して新たにピヨりつつ、ページを捲っていたら。


 薄く修正の入っている性器描写を、俺が鉛筆でリアルに書き直していたのを発見。
…俺、K.O.

*1:気絶すると同義。頭の回りに星やヒヨコがぐるぐると回っているイメージ