ファイル交換ソフト利用者目当ての詐欺

 主にファイル交換ソフトを使っているユーザーを標的とした、日本レコード協会を装った詐欺が広がり始めていると言う。
詳しい情報は>>こちら参照。
ほぼ全国的に広がるおそれがある。


 いやあしかし。
俺々詐欺と言い、次から次へと考えるものだね、銭の亡者というものは。
このケースも、Winny製作者逮捕を受け、これは脅せると踏んだのだろう。
実際に、WinMXと言うファイル交換ソフトを使っているユーザーには、簡易チャットのようなもので著作権管理団体の人達が使用をやめるようにと警告のメッセージを発しているらしいと言う事も云われていて、こうなると、虚実どこまでが境か解らなくなる。


 かつては、携帯の出会い系サイト利用者や、或いはPCでもエロサイト利用者に不法な利用料金を督促するメールや手紙などが、半ば脅迫まがいの言葉を載せて送られていたものだったが、それらにしろ、このケースにしろ、利用者のちょっと公言出来ない要素を上手に突いて金をふんだくろうとしている。
俺のように、何の後ろめたいものも無いのであれば鼻で笑ってゴミ箱行きとも出来るのだが、何かしらの後ろめたさがあるならば、人によっては速やかに、言われるままに金を振り込んで仕舞う事だろう。
無論、後ろめたい事などしない事、それが一番の解決策であるのだけど、人間なんて叩けば埃が出てくるもの。
誰もが聖人なんて筈もなく、誰でも、何かしらに後ろめたさは抱いている。
また、そうでなくとも勘違いや思いこみなどで、「使った覚えないけど、ひょっとしたら」と支払って仕舞う人も居るかも知れない。


 このケースに限らず、まず身に覚えの無い督促状には支払う義務は皆無であることを、諸君は覚えておいて欲しい。
そして次に、ひょっとしたら、と心当たりのある場合でも、必ず一度連絡を入れ確認をする事。
その場合には、表記されている所ではなく、敢えて、ネットや電話帳で連絡先を調べ、そちらにまず聞いてみる事が重要だ。
理由は、表記されている連絡先も別物である可能性が極めて高いからだ。


 俺々詐欺などで引っかかってしまう人の殆どが、ここでの確認を怠っている場合だ。
無論、慌ててしまって何時も通りの冷静さを喪っている事もあるだろう。
しかし、それでも一度連絡をしてみて虚実いずれかを判断する事が重要であることを、俺は重ねて記す。


 ついでだから、もう少し突っ込んで注意をしておこう。
考えられるパターンに対して、一つ一つその弱点を突いておくね。ちなみに、総て身に覚えがないって条件で。


・「債権譲渡された」と書いてある場合
債権譲渡は、債権を譲り渡す人(譲渡人)から債務者に対して、債権譲渡の通知をしなければならない。
債権の譲り受ける人から通知しても法的には無意味。それというのも債権の譲受人からの通知でも良いのならば勝手に「俺は債権を譲りうけた」と言う人が出る(詐欺の場合はこれね)。
そして必ず内容証明郵便で債権譲渡の通知が行われる。
しつこく迫ってきた場合には、「譲渡人から債権譲渡通知を受け取ってませんから、あなたに支払う義務はありません」と主張すれば良い。


内容証明郵便で来た場合
内容証明というと何だか仰々しくて、あたかも法的な感じがする代物だけど、法的拘束力は全くない。
その、法的な感じと言う所を利用して精神的に追い込むのよ。
後で、「来てなかったよ」と言い逃れ出来ないようにするために、差出人、受取人、郵便局、その3者で共有し証拠とするものだから、変にビビる必要はない。


・債権代行/回収業者って所から来た。
債権回収は法務省の認可した業者しか行う事は出来ない。>>こちらクリックで法務省認可業者一覧が出ます。
俺のとこにも以前、頭の悪い業者から騙ったメールが来たけれども、案の定、登録された業者じゃなかった。
モグリでやって良いってものじゃないので、一覧に無ければ騙り一確。
また、法律では債権管理回収業の営業を許可された会社であっても、回収できる債権は「サービサー法」に規定された、金融機関等が保有する貸付債権などに限定されており、出会い系サイトやアダルトサイトの利用料金は、これに含まれない。
つまり、債権管理回収業を名乗って請求してくる場合、その会社そのものが存在しないか、存在したとしても会社の名前を騙っているかのどちらか。いずれにしても、請求を拒むことが出来る。


・入金先、連絡先が個人名、携帯電話になっている。
どこの会社が金を振り込むのに個人名でやらせる?
普通なら株式会社スタジヲロフツ*1、とか、事業部債務課 (役職)島津若葉*2って書くでしょ。
同様に、電話番号にしても必ず本社や事業所の電話番号を記す。携帯はあり得ない。


・業者への連絡について
さっきも書いたけど、まずはネットや電話帳で調べて連絡。大概はありがちな名前を騙ってるだけだから。
で、もしそうでないのなら、自宅や携帯の非通知、公衆電話などがベスト。身元は隠す。名前は聞かれるまで言わない。
俺の場合の一例を紹介する。
俺は公衆から、携帯で使われたと言う債権の問い合わせについて聞いたんだけど、面白い答えが。
俺の提示する疑問、追求に苦しくなった業者が「おたくのこの番号ね、こっちでは調べついてるのよ!」「間違いなくこの番号!」と宣った。
そちらに電話番号表示されるんですか? と聞いたら「だから解るんじゃねえか!」とキレて。
暫く怖がったふりをしてたんだけど、どうにも笑いが我慢出来なくなって大笑いしてしまって。
「何が可笑しいんだ!」「だってこれ、公衆。」そこでガチャ切りされた。
まあ、相手が非常に愚鈍だったので楽しめたが、携帯などで、番号が解るようにかけていてはこうならなかっただろうね。
だから、こちらの身元をなるべく隠して聞くのが良いって事。


 一度こういうのに支払ってしまうと、いわゆる「カモリスト」に登録され、以降飴に集る黒蟻のようにうじゃうじゃと狙ってくるようになる。
そうならないためにも、最初の一石が重要な意味を持つ。
何、簡単な事よ。身に覚えが無いなら無視。それだけで良いんだから。
そして、この簡単な事を徹底する事が、屑共の糧を絶ち奈落に落とす手段。

*1:この「スタジヲロフツ」ってのは俺が大学の時に率いてたサークル名で、実在する会社とは何の関係も有りません

*2:これも俺のHNで、実在する人とは無関係ね