体力の衰えに驚きを隠せず

 祖母が何かの会議で上京すると言うので序でに、夕飯を共にする事となった。俺も無理を押して中華街まで出掛ける。
無理を押して、と書いたけれども、そう、信じがたい事にまだ風邪が長引いている。昨日、今日で熱は下がったし、症状は大分軽くなったけれども、咳は相変わらず出るし、油断すると鼻水垂れるし。


 石川町で降りて、中華街で適当に店を見繕って食事する事になったのだが、心外な事に、俺の足が早くも悲鳴を上げ始めていた。
たった数十分、歩いてただけだぜ?
どうやら、この数日で、足が萎えてしまっているらしい。
何だかそれが無性に腹立たしく思えたので、リハビリ序でよ、と更に歩いてやる事にする。


 そうしたら、中華街の奥、みなとみらい線の中華街駅の近くで、「武器屋」と書かれた看板を発見。
弟と「ドラクエかよ!」などと笑っていたが、本当に武器屋だった。
普通の剣や棍(ヌンチャクや三節棍)の他に、三国志の武将が持っているような青龍偃月刀や方天戟、サイ、トンファー、鉄扇など品揃え多数。
見ている内に鉄扇がものすごく欲しくなったが、今は目的が違うのでそそくさと店を後に。
尚、弟はトンファーにご執心で、「今、若者達の間ではナイフを持ち歩いているようだが、それはナンセンスだし銃刀法にも触れる。トンファーなら、職務質問受けた時に『農耕具』だと言える」「それなら鉄扇だって『冷房』って言えるじゃん」などと素っ頓狂な会話をしていた。
その後は普通に飯を食ったりした程度なので割愛する。


 何よりも、今日は久しぶりに外出し、外の空気を吸った訳だが、己の肉体の衰える速度というものは案外、洒落にならないものだと思った。
確かに、俺はあまり体が丈夫な方ではなく、大体季節変わりには風邪を引くのだけれども、だからと言ってこうまで、長引いているのも幾久しいし、また、たかが一週間程度寝込んでいただけでこうも、足が萎える−足だけではなく全身の筋肉自体が衰え萎えて居る事だろう−とは思って居なかった。
たった半日程度、外出しただけで帰ったらふくらはぎは(だる)く、体全体にも倦怠感が溢れ、眠気が襲ってきて仕方なかった。
何だか妙に、腹が立つ。


 健康な時には己の体などを思う事などしないものだが、こうして、日々の健康維持の重要さ、及び、筋肉や身体自体のメンテナンスを行う事は後に大きな意味を為す事を再確認した。
ま、喉元過ぎれば熱さを忘れると言うように、健康に戻ったら戻ったですっかり忘れるのが人の性ではあるのだが、暫くはこうしてPCに向かったり、テレビ見る最中は筋トレしたり、電車の中では常につま先立ちしたり、基本的な体力と筋肉を養おうと思う。