女子高生コンクリ殺人の元犯人の初公判 からふと思う

 以前にも書いたが、女子高生コンクリ殺人のサブリーダー格であった神作某と言う男が、さる男性を監禁暴行したとして逮捕監禁致傷罪に問われた初公判が東京地裁であった。
ソースは>>こちら。
文章が短いのでそのまま全文を引用させて頂く。

女子高生コンクリ殺人の元少年、監禁致傷罪で初公判


 男性を監禁して暴行したとして逮捕監禁致傷罪に問われた被告の男(33)の初公判が28日、東京地裁であった。被告は「被害者を殴ったのは事実だが、『(別の事件で)おれは人を殺したことがある』というセリフは言っていない」などと述べ、起訴事実の一部を否認した。

 被告は、89年に東京都足立区で起きた「女子高校生コンクリート詰め殺人事件」で有罪判決を受けた元少年の一人。

 検察側の冒頭陳述によると、被告は5月19日、同区内の路上でこの男性を「女取っただろう。殺すぞ。おれは人を殺したことがある」と脅迫。埼玉県三郷市内のスナックに連れ込んで監禁し、暴行を加えたとされる。

 犯行前にも、被害者に「おれは警察をだましたり、検事を丸め込んだりするノウハウや知識を学んだ。今度、何かあってもすぐに出てこられる」と話していたという。

 被告は17歳当時の88年11月、仲間の少年とともに、同県内の女子高生(当時17)を約40日間監禁してリンチを続け、89年1月に殺害。遺体をドラム缶に入れてコンクリート詰めにして捨てたとして、91年に懲役5〜10年の不定期刑が確定し、99年に出所していた。


 改めて怒りひとしお。
あまり感情的になって物事に当たるのは俺は良しとしないのだけど、腹立つものはしょうがねえ。
何よりも、他のメディアなどでも少年法との兼ね合いからこの犯人の実名を報道していない所が多いのだけれども、やはり少年法のこの制度は加害者の更正に役立つと言うよりは、単に「やり得」感を強めているだけの様な気がしてならない。


 確かに少年法が存在することは必要であり重要だ。
もともと少年法は、戦後の荒んだ一時期の子供達をフォローする意味合いで設けられたシステムで、そして物事の分別が付かない子供がもし、犯罪を犯してしまったのであれば、その子供の可能性を潰さないために敢えて保護する役目を担ってきた。
しかし時代は変遷し、また子供の意識も変遷している。
子供の権利を保護する為のものであった少年法が、今や過保護と言える代物になっていると思うのは俺だけだろうか。


 刑罰の厳罰化が犯罪抑止には繋がりにくい、と言う報告があるが、しかしだからといって 甘やかすのもまた頷けない。
ふと、もし仮に今の少年法の適用年齢を12歳まで引き下げた場合、今の少年犯罪の発生件数−新聞の載るような代物だけではなく、もっと些細な犯罪も含めて−は果たして本当に動かないのか、と疑問に思う。


 俺が思うに、思春期の子供達は「大人」と成る事に憧憬を抱いている場合が多い。
だから、敢えて決められたルールや社会を逸脱して悪振ってみたり、或いは逆に、賢しい*1振る舞いをしてみたり、で大人振りたがる。これは俺自身にも経験があるし、恐らく、読者諸君自身や周りの経験からみても、頷けるものだろう。
その原因の一つは、思春期の年代は大人でもなく、子供でもないと言う曖昧な社会定義にあると思う。
学校や社会、親などからは子供扱いされる一方で、自分自身の生育状況は子供とは言えない矛盾を孕んで居るからだ。


 だったらいっそ、少年法は「児童」とされる年代に限って適用し、それ以上になると大人であるという責任を自覚させるのも悪くはないのではないだろうか。
勿論、それに伴って選挙権も引き下げる。これからは一人の大人として、国家の行く末を考えなければならない事を証明するものとして。
13歳から選挙権を持たせるには早いのであれば、16歳からでも構わないだろう。その間に、政治についての勉強も行える事だし。


 かつてから、現代の日本ではイニシエーション*2が不在であると俺は説いてきた。
このイニシエーションの不在こそが、現代の社会、或いは大人の幼児性を加速させている事は否定は出来ない。
勿論、それだけでどうにか成るようなものでもないが、少年法の年齢引き下げ、選挙権の年齢引き下げは一つのイニシエーションとして機能し得るものになるのではないだろうか。
そしてもし、これがイニシエーションとして機能した場合、今の少年犯罪の発生件数にも影響を及ぼし得るものだと俺は思っている。
少なくとも、「まだ子供だから大丈夫」というような安易な甘えで犯罪を犯すようなのは出にくくは成ると思うのだが。
ただ、その為には勿論、周りの大人が彼ら「少年少女たち」を子供として見るのではなく、一人の人間として尊重し見なす事が重要であるだろう。


 さて、話は戻るのだが、この神作某と言う男。
どうやら警察や検察を騙すテクニックに長け、どんな事があっても出て来られると(うそぶ)いているようですから?
検察には頑張ってもらってなるべく重い刑を求刑して貰えば宜しいかと。
だって、どんな刑でも軽く出来る様ですから、いっそ死刑あたりを宣告してもらって、どれだけ軽くさせる事が出来るのか、そのお手並みを拝見と行きましょうや。
減刑に失敗し、そのまま死刑になったとて、それは地球に優しいエコロジー
この野郎のような下衆が吐く息で、大気が汚染されて仕方ないから。

*1:さかしい:かしこぶること

*2:通過儀礼