凹。

 北斗の設定6打った。
俺が目星付けてたのは取られてしまって、朝一千円から一万枚お持ち帰り。
俺単発地獄で追加投資の末、死亡遊戯。平均連数2回行ってないんじゃ負けるわ。
こんな事してる場合じゃ無いのに…。


 しょぼくれて夜の海に、ひとり月を見に行った。
台風が過ぎた後の雲一つ無い空に煌々と輝く月が、波間を一面の白銀に染めていて、とても綺麗だった。
煙草を吸いながら膝を抱え、黙って見ていたらなんだか涙が出て来た。
負けて口惜しいからとかじゃない。だったら俺は年中涙で瞼を腫らしている事になる。
一々負ける事で涙する程柔じゃあない。
理由はそれじゃない。それじゃない何か−今は漠然として言葉に出来ないが、それでも確固たる、明白な理由の何か−が、俺の眼を濡らせしめた。
そうだ、多分、コンタクトで目が乾いたからだ。それに相違ない。