自民党の圧勝とニーメラーの言葉

 はいここから別ですよ。
今回の総選挙で、自民は己も想像していなかった程の大勝を納めた訳だが。
こりゃ危険ですよ。誰も反対出来ないんだもん。


 確かに、郵政民営化と言う事に関しては俺は賛成。
だが、小泉政権自民党を支持するかと言ったらNot equalなんですよ。
小泉の問題点は具体的政策と視野が欠けている事だと思っている。
にも関わらず、彼がこうまで支持を集めたのは郵政民営化に焦点を絞った事だろう。
今の日本が抱えている、かつ優先順位が高いものを敢えて無視して彼自身の課題である郵政を表に出して人々の「迷い」を断ち切った事。


 ただね、この結果が良いものを齎すかと言ったら、そうではないだろう。
構造改革、と言っておきながら霞ヶ関など要の本陣には切り込んでないし、一方で一般への増税を課そうとしていた事を人々は早くも忘れてしまったらしい。
それだけじゃない。中小企業の相次ぐ倒産や、福祉制度の改悪をはじめとする、彼が言う所の「痛み」が果たしてどれほどの人々を苦境に追い遣るか。
そして、「親」どころではないアメリカへの迎合。


 たかだか数年の政権とはいえ、その数年が後の100年をも左右する。
決まってしまった事はしょうがないとは言え、単に知名度のあるだけの料理研究家などが政治家になっているようでは、この先暫くも未来は暗いと思うのは、俺だけなのだろうか。
唯単に、俺が悲観主義的に物事を見てるだけかも知れん。
だが、こういう時にどうしても、ドイツ神学者マルチン・ニーメラーの言葉が頭をかすめる。


Als die Nazis die Kommunisten holten,habe ich geschwiegen;
Ich war ja kein Kommunist.
(最初にナチス共産主義者を攻撃した時、私は共産主義差では無かったから無視していた)
Als sie die Sozialdemokraten einsperrten, habe ich geschwiegen;
ich war ja kein Sozialdemokrat.
(次に、彼らが社会主義者を攻撃した時も、私はそうでは無かったからじっとしていた)
Als sie die Gewerkschafter holten, habe ich geschwiegen,
ich war ja kein Gewerkschafter.
(更に次、彼らは労働組合員へと襲いかかったが、私は別に労組に入って無かったから声を出す事は無かった)
Als sie die Juden holten,habe ich geschwiegen;
Ich war ja kein Jude.
(そして彼らはユダヤ人を攻撃した。しかし、私は沈黙していた。私はユダヤ人ではなかったから。)
Als sie mich holten, gab es keinen mehr,
der protestieren konnte.
(やがて彼らが私を連行しようとした時、初めて声を出したが時は既に遅かった)


果たして、これは杞憂か否か。