堀江逮捕とメディアの報道

 ホントにやっと熱が下がったけれど咳は依然残り難儀しているWacremaです。こんばんは。
諸君も気を付け給え、今度の風邪は残って厄介だぞ。
と、相変わらず病院行くか引き籠もるかと言う生活なのだが、今日病院から戻れば「堀江逮捕」ってニュースが流れているじゃないですか。
流石にびっくりですよ。


 ここ数日、ライブドアへの強制捜査などと動き自体はあったが、証券取引法違反と言う容疑で堀江自身が逮捕までされるとは到底思えなかった。
と、言うのも彼は頭が回る人物だと言う認識があるので、グレーゾーンにあるものに敢えて踏み込む事はあっても、黒い事に敢えて踏み込むような愚は犯さないのでは無いか、と思っているのだ。
彼自身も言っている事だが、社会の法やシステムには必ず欠陥があって、そこを突く事でわざわざ法に触れるような事をせずとも良い事はある。
ニッポン放送株取得の際のTOBもそうだった。あれは法的には何の問題も無い。
無論、モラルという観点の問題はあるけれども、「法に触れる悪事」では断じてない。
物事を知り、そう言う所に気が付くかどうかが頭の善し悪しと言う事に繋がり、モラルをどうするか、が心の善し悪しになる。
しかしビジネスに於いてモラルだの何だの言っていては商売にならないだろう。


 街でインタビューをしている光景を見ていると、「汗水垂らして働かないからああ言う目に遭う」と言う意見も見られたけれども、それは全くお門違いな妬みの類であって、法に反した事に対する批判では無い。
汗水垂らして働けば偉いのか、と言えば、それは決して速やかに肯定は出来ない。と言うのも、生来、誰だって楽はしたいものだと俺は思っているからだ。余程ストイックな人で無い限り、人は楽な方へと行きたがるものだ。
何よりも効率などを考慮した場合、少ない労力で大きな利益をもたらす事は決して悪い事では無い。
それを誤魔化して「汗水垂らして…」等と宣うのは己の偽善を吹聴しているようなものでさえあると思う。
但し、俺は汗水垂らして働いている人を、苦しい仕事でも逃げない人を尊敬する。
また、「甲斐」のある仕事ならば汗水垂らす仕事も楽しい事を知っている。そこはきちんと断っておく。


 どうも、それらインタビューを見ていると概ね50代以上の人達には堀江とその仕事は不人気なようだが、逮捕された事を受けて、今まで支持率の高かった若い人の間にも堀江に対する感情が変わって来ている様だ。
その理由には例えば上述した様な、妬みと嫌悪感から来るものが多い様だ。
マスコミも同様で、あれだけ「ホリエモン」と担いでいた手のひらを一斉に引っ繰り返し叩き出す様相は些か滑稽にすら見える。
全く、この世はお調子者だらけだ。しかも質の悪い事に、そのお調子者は自分がそうだとは思っていない。


 要点は、堀江の錬金術のアプローチであると思う。
彼らが法律に反したのならば、それは法に従って厳しく糺されるべきだ。それが法治国家に住む者の務めであるからだ。
しかし仕事の、法に反していない部分に関してはどうこう言うべきではない。
株を金儲けの手段に用いるのは極めてメジャーな方法の一つであるし、虚業とは言え会社として真っ当に利益を上げる為の事もきちんとこなしている。
少なくとも、同じ「汗水垂らさないで金を稼ぐ」人材派遣業や消費者金融なんぞよりは余程「まとも」ではあるとすら言える。
まあマイクを向けられた一般人はしょうがないにしても、プロであるマスコミはそこを公私混同して無節操に思慮のない言葉を吐くべきではない。
とは言った所で、今週半ばから来週にかけて放映されるTVや発売される週刊誌にはそう言った無節操な言葉が乱れ飛ぶのだろうが。


 そう言えば、「違法行為」をした企業、ヒューザー総合経営研究所への取り調べはどうなっているんだろうね。
どうも一介の建築士の小遣い稼ぎという柔なレベルのものではなく、時期首相候補とさえ言われている人物の進退に関わる様な問題でさえある様だけれども、このライブドア関連の話できれいに流されてしまうのだろうか。
あまり陰謀論などを語るのは好きでは無いけれども、このタイミングはどうも訝しい。素人考えでは世間の目を反らす為の騒動とさえ見えてしまうのだ。
勿論、逮捕に踏み切るには地道な内偵などが不可欠だから今日明日出来るような事でも無いのは承知している。
けれどもやっぱり、何か焦臭いものを感じ取ってしまうのだ。


 数日前に書いたけれども、俺はこの一週間余り、風邪を引いて熱を出し、病床の身であった。
僅か、その間にこうして立て続けに大きな事が起きて、そしてその影に数億円以上の単位で一瞬にして金が消し飛んでいる人も多い。
六本木ヒルズなんて言う「当世億万長者之塔」に居を構えて居た人が、一晩で留置所暮らしになる。
なんだか、諸行無常だね。猛き者も終には滅びぬ。単に風の前の塵に同じ。
ふとそんな事も思ったよ。