兵どもが夢の後

 約一ヶ月あまりの激闘が幕を閉じた。
決勝はフランス対イタリア。
俺は(日本もドイツも負けたので)フランスを応援していたのだけど、PK戦の末にイタリアがワールドカップを手に入れた。


 至極残念であったのは、「指揮者」ジダンがあろうことかイタリアDFにパチキをかまして一発退場になった事。
結局、彼は退場になったために表彰式にも姿を見せる事が出来ず、このまま引退をする。


 華麗なプレイでフランス大会の時から好きになり、前回の日韓大会ではその姿をほとんど見る事は出来なかったけれど、今回のドイツ大会で、一時は代表を抜けていたけれども、後に参加し、将に彼を中心としてフランスは頑張ってきた。
フランスに於いては、彼の存在はナポレオンと同義であったと言って過言ではないだろう。
そんな彼が、これ以上ない大事な試合中にパチキをかまして退場、なんて事が起こってしまうのがなんだかもの悲しいし、そして冷静である(とされる)彼がそこまで激昂する理由は何であったのだろうか、と勘ぐりたくもなる。


 理由は後々明らかにはなるであろうけれど、なんだかイタリアの勝利に対し、純粋に「よう頑張った」と言い難い何かがあるのは、俺が単にフランスを応援してただけでは無い。
とはいえ、これもまたひとつの結果。それも死闘の末の。
まさに、兵どもが夢の後。
日本が、この舞台に立つにはまだ少し時間がかかりそうだ。


 でも、見ていて本当に楽しかった。
どの国の選手も、お疲れ様、そして有り難う。


追記:でも表彰式の様子見てたら感極まってきた。
雪のように舞い散る銀の紙吹雪。瀧のように流れるリボン。とても綺麗だなと思っていた。